畳を剥がし2〈山暮らし〉
イグサの香りがします。
訪問林業センター久万屋です。
畳の見積もりのため畳屋さんに来ていただきました。
和室はカーペットが敷いてあり、それを外すと、ゴザがピンで留めてあり、ピンを取り除いてゴザをめくると、薄茶色になった畳が。
足裏に伝わる感触は、デコボコしてるし、ふかふかして、なによりも湿っているようなしっとりした踏み心地です。
あー、畳ってもっとサラサラしているはず。ベタついてるのは嫌だな。
「イグサの張り替えが必要でしょうか」
「畳の裏返しあるいは表替えというやり方ですね。それなら出費は少ないけれど、この畳では…」
裏返しとか表替えの適応ではないという見解でした。
「カビています」
うーん、確かに、カーペットを外し、ゴザをめくって、畳が出てきてから、部屋には匂いが充満している😌
ついでに、隣の四畳半の和室も見ていただきました。
北側の小さな部屋もゴザが敷いてあったので、ピンを取り除いてゴザをめくると、薄茶色のしっとりした畳が出てきました。薄茶色の畳を剥がすと、小さな囲炉裏が(表紙の写真)。
北の部屋の小さな囲炉裏は、家族団欒の囲炉裏部屋のほか、夜になると北側の四畳半に、小さな囲炉裏を焚いて暖を取り、眠っていたようです。
「あー、もう使いものになりませんね」
使いものにならないのは新調するほかないですもんね😌
新調した畳が入って、和室はイグサの香りに包まれています。胸いっぱいに吸い込むと、懐かしい(エモい)感覚が指の先までじーんと沁みてきます❣️
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※囲炉裏とカマドは同じですか?というお問合せをいただきました♪
→ イロリは暖を取りながら煮炊きをします。カマドは釜の中で熾した火で煮炊きをします。言い換えると「鍋を吊るす文化」と「鍋を置く文化」という違いがあります。このような文化の境界があるという現象を『北緯36度説』で説明しています。つまり北緯36度よりも北の地域は、寒さを凌ぎ、暖を取りながら煮炊きをするイロリ文化に属し、南の地域の愛媛はカマド文化に属しています。それなのに、久万ではイロリとカマドの混在する家の造りを呈していることから、久万は寒さの厳しい地域であることが分かるのです。